症例集

難産(犬 ウェルシュコーギー 3歳 メス)

 夜12時半より陣痛が発現するも、一時的で微弱。その後、破水を繰り返すが出産の様子はないため来院。必要な種々の検査を行う。血液検査等は問題がないが、X線検査にて3頭の胎仔を確認。超音波検査にて胎仔の心拍動などを確認。ご家族と協議の上、点滴処置の上、子宮収縮剤の使用を試みるも、進展はなく、胎仔の位置も変わらず、胎仔の心拍数が低下してきたため、再びご家族と協議の上、麻酔下にて帝王切開術を実施。メス2頭、オス1頭、無事生まれる。母体の麻酔覚醒も良好。その後、かかりつけ医へ引き継ぐ。

夜間病院から一言

 犬は古来から安産の象徴とされていますが、チワワ、ミニチュアダックスなど決してそうではない犬種も多くあります。夜間に問題がおこることも多く、実際夜間病院での手術症例も帝王切開が一番多いのです。その必要性の有無に関しては、種々の検査後、慎重に判断し行っています。

FLUTD(日本猫 6ヶ月 オス)

 3日ほど前より体調が悪い様子で、何回もトイレに行く。数回の嘔吐もしていた模様。本日夜になり、ぐったりしたため来院。来院時意識昏迷、虚脱状態。触診にて下腹部に尿が貯留して硬くなった膀胱を確認。迅速な尿道閉塞の解除が必要と判断。同時に血管確保、点滴、血液検査、X線検査を行う。血液検査の結果、尿が出てこないことによる、重篤な尿毒症と高カリウム血症が判明、尿道カテーテルにて尿道の閉塞を解除しつつ、適切な薬剤、輸液投与により、全身状態の回復を図る。数時間後、幸い臨床症状は目にみえて改善してくる。

夜間病院から一言

 この病気はオス猫に多い疾患で、尿中に分析した結晶成分が栓子状になってペニスに詰まって発現します。もう少し処置が遅れると死に至る可能性が十分あった症例。その後、かかりつけ医にて継続した点滴治療と、今後の再発防止のため適切な食事療法を受けています。

急性胃拡張・捻転(犬 シェパード 9歳 オス)

 夜12時頃より、お腹が腫れてきてぐったりしているとのことで来院。嘔吐もあり、起立もできなくなる。種々の検査により、急性の胃拡張.捻転によるショック状態が発現していることが判明。並行して、血管確保、輸液治療を開始、経口・経鼻チューブ挿入により、パンパンに張った胃の減圧を試みるが、胃の噴門通過が困難であったため、経皮的に穿刺し、胃の空気を抜く。呼吸はやや改善する。ご家族に胃捻転の整復手術の必要性を説明し、同意を得た後に、麻酔下にて手術を実施。開腹したところ、捻転のため血行が悪くなり、壊死した部分も存在したため、その部位を切除、その上で、胃壁を腹壁に固定する。その後、麻酔の覚醒は比較的良好で、朝の退院時は自ら歩行していけるほどになる。その後、かかりつけ医にて術後管理を行う。

夜間病院から一言

 急性胃拡張.捻転は大型犬に多い、急性の症状を発現する疾患です。ただお腹が張るだけではなく、胃が大きく拡張することで、大動脈などの血管を圧迫したり、捻転することで、ショック状態を引き起こし、迅速な処置を施さないと急死してしまう事も多いのです。ワンちゃんのお腹が張ってきたら朝まで待たずに、早急に診察をうけてください。

膀胱破裂(猫 アメリカンショートヘア 6歳)

 夜8時頃、車に轢かれる。自力で帰宅するも、ぐったりしている。いつもは室内飼育だが今日はたまたま脱走していた。来院時、意識レベル、呼吸は正常。腹部触診にて疼痛あり。膀胱造影など種々の検査の結果、膀胱破裂が判明。並行して、血管確保、輸液治療を開始。膀胱破裂により、尿がお腹の中に漏れだすことにより、尿毒症と高カリウム血症が悪化してくる。ご家族に緊急手術の必要性とリスクを説明し、同意を得る。全身麻酔下で破裂した膀胱を修復。幸い、他の臓器には損傷は認めず。腹腔内を洗浄し、閉腹、手術を終了する。術後、依然危険な状態が続いたがなんとか安定する。かかりつけ医がいなかったが、ご家族の希望された近所の病院に引き継ぐ。その後、退院し、現在は元気に暮している。

夜間病院から一言

 交通事故も夜間病院で多い来院理由の一つです。軽い皮膚の外傷で済む場合もありますが、四肢を損傷、骨折したり、この症例のように内臓に放っておけば致命的な損傷を負っている場合や、脳にダメージを受けている場合もあります。歩けるから大丈夫などと軽く見ないで、やはり早急に診察を受けるようにしてください。

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